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核酸入りの健康食品で業務停止命令?

すでにご存知の方も多いかもしれませんが、ヤフーニュースにて「がん治った」という勧誘、ふれこみで健康食品を販売した会社に一部業務停止が命じられたニュースがありました。

問題となったのは商品そのものではなく、その水の売り方のようです。商品は核酸入りのコラーゲン水とのことです。私たちはここから何を学ぶことができるのでしょうか。

 

 核酸入りコラーゲン水で業務停止命令?

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本当に世の中さまざまな健康食品が販売されています。

今日は先日報道でもあった「がんが治った」というふれこみ(口コミ)で販売されていた商品について考えてみましょう。

消費者庁は11月24日に次の業者に一部業務停止を命じました。

取り扱っていた商品は『核酸とコラーゲン入りの水素水』でした。商品名は「ナチュラルDNコラーゲン」という商品名です。

核酸とコラーゲンをセールスポイントにした名前の水を販売しているだけで、健康やがん予防には良くても、いくらなんでもがんに効くわけがないではと個人的には思います。

この会社のビジネスモデルはマルチ連鎖取引ということで、会員を募り、会員が別の会員を自分のランクの下にすえて、また新たな会員をその下の会員にすえるというビジネス方式を採用していました。

連鎖販売取引は法律に則っていれば全く問題はありませんが、そこに水で癌が治るというような宣伝をしていたとなるとちょっと問題です。本当にがんがそれで治れば、こっそりそれで販売しても患者さんからは感謝されるでしょう。

今回問題となったということは、がん患者さんでこの水を信じて飲んでいたのに亡くなってしまって、その遺族が消費者庁に訴えたのか、はたまたこの会社を何者かが糾弾する意味で通報したのかのどちらかでしょうか。

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核酸とは

核酸自体は現在多くの医療研究機関でも研究がされているものです。核酸は遺伝子に大きく関わるものです。遺伝子はアデニン、グアニン、チミン、シトシンの4つの塩基によって形成されます。

核酸とは簡単にいえば、この4つの塩基で形成されたものです。核酸にはDNAとRNAと2種類があります。DNAは皆さんもよくご存知のものですよね。DNAは細胞の設計図で、RNAは細胞をタンパク質と合成して作り上げる職人さんのような存在です。

この核酸は人間の成長や新陳代謝に必要な物質で、体内では主に肝臓でつくられます。そして近年の研究によって、核酸は体内で生産されるだけでなく、食べ物からも取り入れて、細胞分裂、遺伝子の修復の材料に活用されているのではないかということが考えられています。

核酸にはたしかにDNAの修復をはかる機能があるといわれています。そして異常細胞を死滅させて壊れた細胞を修復する機能があることも指摘されています。

核酸はアレルギーの抗体の生産と調整に関わる細胞性免疫と体液性免疫のバランスを整えるともいわれており、そういった観点から、癌が治るとはまでは思いませんが、癌を治すために必要な健康的な環境をつくることに期待が持てる成分とは言えるかもしれません。

核酸を水に入れてどういう理屈で売っていたのか?

おそらく核酸の性質から察するに、核酸が細胞の修復に役立つ可能性がある。そしてがんは細胞の異常コピー、だから核酸で修復する。そんな理屈で売っていたのかもしれません。あくまで核酸の性質から考えるとそんな感じでしょう。

今回問題となった「ナチュラルDNコラーゲン」という製品の原材料を調べてみました。

ナチュラルDNコラーゲン」原材料

ここでポイントとなるのは「DNA含有サケ白子抽出物(乳成分を含む)」と「RNA含有食用酵母抽出物」です。DNAとRNAという文字が出てきますね。これが核酸ということになります。

世の中に販売されている核酸系のサプリメントは殆どこのサケの白子由来のものです。1869年にスイスの学者ミーシェルが白血球の中から核酸を発見します。後に鮭の白子、仔牛の胸腺、あるいはビール酵母の中からも同様の物質が発見されます。

核酸と命名されたのは1889年ごろです。細胞核内に存在する酸性物質だったことから核酸と呼ばれるようになりました。

今回の健康食品の中に含まれる核酸以外の成分はコンドロイチンやビタイン類、葉酸以外は殆ど味付けや保存料に関するものです。まあ核酸を健康のために取り入れたいとするならば、他社がいくらでもカプセルタイプで安く販売しています。

個人的主観ですが、特別この製品でなくてはいけないわけではないと思います。あくまで栄養学的な観点から見れば、健康に寄与する可能性はあるかもしれませんが。

国立がん研究センター核酸医薬を研究している

核酸は期待の成分として注目されています。国立がん研究センター核酸医薬の医師主導治験というものを2015年に開始しています。この治験では乳がんに関係していると思われるRPN2遺伝子に対して核酸医薬製剤のTDM-812を投与した治験です。

これはあくまで特定の遺伝子に対して、核酸をベースに作られた製剤を、乳がん(トリプルネガティブ)の皮下の腫瘤に直接投与して行う治験です。水に溶かして口から取り入れる今回の健康食品とは次元が違います。

癌に効くというなら、製品どうこうではなく、どの成分がどんな研究で、どの癌に対してどういった成果、数値が出たのかを示すことが必要です。とはいっても健康食品である以上、公に病気に効果があるどうこうとは言えません。

せめて製品ではなく核酸だけに話をしぼって、核酸による何等かの効果的なデータくらいを宣伝することであれば、問題がなかったと思います。

おそらくは販売者側の人間が、この製品を顧客に説明する時に「この水を飲んだ人で癌が治った人もいます!それくらい体に良い水です!」といった感じで力説して販売していたのでしょう。

余計な添加物が含まれている

大体、添加物としてカラメル色素や人工甘味料スクラロースが入っていることが、私個人としては気に入りません。多いんですよ、人工甘味料やカラメル色素で味や見た目をよくする手っ取り早い手法が。

この手の製品で使用されているカラメル色素は「カラメルⅣ」というタイプのものだと思われます。少なくとも砂糖を丁寧に焦がして精製した天然由来のカラメル色素を使うことは常識的にはないでしょう。

カラメルⅣは掻い摘んでいうと、糖類とアンモニウム化合物を加えて加熱して精製したものです。人体には有害か無害かというと有害です。昔から発がん性が指摘されています。もちろん程度問題であり少量では問題はありませんが、長期的には不明です。

健康に期待できる成分「核酸」を取り入れる健康食品に、発がん性の可能性があるカラメル色素を使うというのは、消費者のことを考えていない証拠です。見た目の色なんてどうでもいいと思うのですがねー。

そしてスクラロースは個人差がありますが、下痢を引き起こす場合があります。乳酸菌飲料でもスクラロースが非常に多く使われていて、個人的にも乳酸菌飲料は手軽なので時々飲みますが、そこが玉にキズです。。。

購入前に正確に主要成分については自分で調べることくらいはしましょう。

健康食品の販売者側の全てではありませんが、健康食品業界で使われるありきたりの成分(独自の製法ではない商品)を売る場合は、殆どがサプリメントを専門に製造をするメーカーに依頼して、好みの成分を指定して、後はおまかせという感じで作っている会社も多くあります。

要は健康食品はオリジナルの製法や成分ではない限り、どこも似たり寄ったりのものが多いということです。配合の違いだけというパターンが多いのです。後はどこまで消費者のことを考えているか、その誠意が商品に込められているか次第です。

よくあるのは青汁に人工甘味料を使って飲みやすくしているものがあります。あくまで個人的な主観ですが、ああいうやり方はあまり好みません。まあ、人工甘味料をそこまで悪とする必要もないのですが、個人的には体質に合わないこともありそう思ってしまいます。

健康食品選びは、不必要な添加物は使っていないのか?サポート体制はどうなのか?そして主要成分が本当に期待できるものなのか?それは消費者側の私達が知識をつけ、それを見抜く目を持たなくてはいけません。

健康のために飲む健康食品が人体に有害や不要であっては本末転倒です。

まとめ

今回問題となった製品は、その成分から体に大きな害となるものはありません。販売方法に問題があったということのようです。とはいえ個人的にはあれに高額なお金を出すほどの価値は感じません。半値くらいでカプセルタイプのサプリメントが普通に売られています。

まだ断食を定期的にしたり、乳酸菌飲料を飲んでいたほうがよっぽど免疫力は上がるような気もします。少なくとも現在販売されている核酸サプリメントは、癌予防にはなるかもしれませんが、癌を治すための特効薬や切り札にはなりえないのでそのことだけは留意していただけたらと思います。

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